Shunya Ueta

「リーダーの作法」マネジメントに限らず、エンジニアとして仕事の作法について書かれた良書

リーダーの作法 ささいなことをていねいにを読み終えた。 著者は Netscape でマネージャー、Apple でディレクター、Slack でエグゼクティブを経験した Michael Lopp さんで、過去にBeing GeekManaging Humans を書かれている。 翻訳の質も非常に高く、楽しく読めた。1

そんなにマネジメント関係を読んでいるわけではないが、HITH OUTPUT MANAGEMENT や、エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードから CTO までマネジメントスキル向上ガイド 同じくらい良い書籍で、学びや共感を多く感じた。

自分はマネジメントのポジションについたことはないが、仕事をしていくなかでマネジメント関係のソフトスキルや複数人でどうやってうまくリーダシップを発揮して、大きい問題を解決するかに興味があるので、良い書籍が目につくと積極的に読んで解像度をあげている。

心に響いた文章と所感

マネジメントとは、まずチームが直面している障害やメンバー間の軋轢といった情報を明らかにすることであり、さらにそうして得た情報を分析して、進むべき正しい道を見出すことである、ということでした。

マネジメントの定義として、チームの課題は他の書籍でも述べられているがメンバー間の関係性について言及しているのは確かにねという腹落ちだった。

ポジションに関わらず全ての業務で一貫して言えるのは、なにが最も ROI が高い課題かを突き止めて地道に解決していくことだな~と思える。

6 章 プロフェッショナルとしての成長を図る質問表

6 章の成長を計測するための質問表は、あらためて自分が何をやりたいのかの解像度をあげる良い質問集だったので半年や一年ごとにこの質問を更新して、定期的に見つめ直していきたい。

新しい仕事では、一刻一刻で多くを学びます。その環境に関する情報をたくさん集めているのです。チームや自分の役割、そして会社についての自分の理解を日々新たにしているのです。

新メンバーがあげるチームの違和感は、フィードバックをもらった後に一ヶ月後見直して見ると重要度が下がることがあるよねと。これは、自分も経験あるが、チームで働くうちに内部の事情を理解して、重要だけど緊急じゃないよね、実際やりたいけどコスト的に割に合わないなど課題に対しての解像度があがることで、優先順位が変わることがありました。

そういう人たちが長年にわたって私に教えてくれた重要な教訓の一つは、壁に書かれた文字より、語られるストーリーの方が重要だということです。

ここで腹落ちしたのは、あらためて人を動かすのは物語(ストーリーテリング)だということ。「なぜ」 そうなったのかってものすごく重要だなと。DesignDocs もそうですが、なぜそうなったかがわかると人間ってものすごく腹落ちして理解できるな~と 自分もドキュメントを書くときは、「なぜ」そうなったのかをきちんと書いて人を動かせる文章を書けるようになっていきたい

手厳しいフィードバックの場合は、何も見落とさないようにするためにあと 2 段階のプロセスがあります。ステップ 1:どんなに批判的なフィードバックであっても、耳を傾け、ほんの少しでも理解の糸口を探す。ほんのわずかでも?よくぞ聞いてくれました。
時には、フィードバックがあまりにも衝撃的で、理解できないこともあります。そこで、第二のステップです。ステップ 2:聞いたことを繰り返しましょう。

ここのストーリーは面白くて、図星な本質的なフィードバックを感情的に反応しそうになってしまうのをどうやって傾聴して、フィードバックを受け入れて自己を改善するかが語られていて面白かった。

リアルタイムにフィードバックし、他のプレイヤーに親切かつ教育的な方法でアドバイスを送ります。災難に直面しても冷静さを失いません。わかりやすいコミュニケーション、実証された専門知識、わかりやすく行動につながるフィードバック、そして落ち着いた性格。堅実なリーダーの性質について説明しましたが、まだ大切なことがあります。いいでしょうか、こうしたふるまいは、多くの人がやっているのをこれまで見てきました。DJ が特別なのは、常にこのようなリーダーであることです。

ゲームを通して、リーダー像がどのように振る舞うべきなのかを説明しており、非常にわかりやすかった。

リーダーシップとは、他人に見せるために選ぶ服であり、私は揺るぎない優しさを選びます。

そして、書籍の最後の文章が、まさに「リーダーの作法」という心構えであり定期的に見返したい。

全体を通して、エッセイとして語られて教訓を学べるので楽しく読めた。2 他の書籍と比較すると、リーダーとして情緒的にどう振る舞うべきかも触れている点が、個人的に読み応えがあった。 自分があらためてマネジメントのポジションにつくことがあれば読み返したくなる書籍だった。

総じて、自分が体験したトピックは強く共感を抱けて学びが多かったというのが興味深い。 ビスマルクの名言で「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」があるが、自分も本を読むことで歴史から学んでいけるようになりたい。 そのために最近習慣化したいので、読んだ後に読書ノートを作ってちゃんと振り返ることで定着できないか試行錯誤中。 Obsidian にノートをまとめるようになってからは、読書ノートを作るのも楽しくなったので、良いツールは習慣化形成にも役立ちますね。


  1. プライベートで書籍の翻訳プロジェクトを勧めているのだが、このような本が母国語で読める環境はあらためて素晴らしい文化だなと強く思うようになった。 ↩︎

  2. 蛇足) 13 章のストーリーが個人的に一番笑える皮肉が書いてあって、一読の価値あり。 当たり前のことをきちんとやるって、難しいけどその作法は大事。 ↩︎

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