「トヨタ式鬼十訓」を読んだ
トヨタ式鬼十訓 を読んだ。
まえがき
ザ・ゴール コミック版 を読んで、ボトルネックを特定し、ゆとりをもたせることで、不確実性に対処しつつ全体最適化に取り組むのめちゃスクラムらしい良い話でしたよと読書仲間の @shopetan に感想を共有したら 、それがすきなら、大野耐一の現場経営 を勧められたので、購入したらバンドルでついてきてタイトルに惹かれたのでこっちを先に読んだ。 結果めちゃくちゃ自分に刺さりました。読んで良かった。
トヨタ式鬼十訓
トヨタをつくった~大野耐一の鬼十訓~
- 君はコストだ。まずムダを削れ。 それなくして能力は展開できない。
- 始めたらねばれ。できるまでやめるな。 中途半端はクセになる。
- 困れ。困らせろ。安易を好む人と決定的な能力格差がつく。
- ライバルは君より優秀だ。なわち君は「今」始めることでのみ勝てる。
- 仕事に痕跡を刻め。十割命じられても十一割めを自前の知恵でやれ。
- 平伏させず心服させろ。そのためにはだれより長い目で人を見ることだ。
- 「できる」とまず言え。そこに方法が見つかる。
- 失敗を力にしろ。 真の自信そして運さえリカバリーから生まれる。
- 労働強化を避けよ。人間「ラクになるには」に一番頭が働く。
- お客の叱声は成功の呼び声だ。逃すな。いじけるな。考え抜け。
感想
特に自分に響いたのは、1,2,3,5,9章あたり。トヨタ生産方式はハードを生産するが、ソフトウェア開発にも通じる点をたくさん感じた。
- 1章
- 見える化で失敗を全体共有し、なぜなぜ分析で真因を特定する。
- 人間の根源的部分として失敗は恥ずかしい、隠しておきたいという欲求が発生する、それを避けるために大野耐一さんは不良品やムダは全員にさらされるべき、さらされない事自体がムダを引き起こしていると常に社員に伝え続けていた。
- 見える化しないとコスト削減だとトップダウンで推進してもボトムアップで推進することは不可能、普段から見えるようになることで知恵が出る。
- ものを作るのではなく、必要なものを作る。
- 売れるものを作らなければ、どれだけ作ってもそれは無駄。なので、ジャスト・イン・タイムを提案。大量生産方式から脱却するためにトヨタが提案した、「必要なものを、必要なときに、必要な数だけつくる」概念のジャスト・イン・タイム、これを車の製造でよくやろうと思ったなホンマに。正気の沙汰ではない。
- 見える化で失敗を全体共有し、なぜなぜ分析で真因を特定する。
- 2章
- 自分のやった改善に自己満足した時点でその人は埋没しておわる。響いた一説
「昨日のことは忘れてしまえ、明日のことも考えるな。今日やっていること、今やっていることが悪いんだ、ムダがあるんだ、改善の余地があるんだ」
- 3,9章
- 結構似ている部分があるのでまとめてメモ。
- 労働強化という単語をここで初めて知った。例えば生産数を2倍にしたいから労働者を2倍に増員するとか、労働時間を2倍にするとか安直な考え方はやめる。本書では、安直な考え方を返す社員に対して大野さんが「算術の質問をしてるんじゃない馬鹿野郎」と痛快にツッコんでいる。
- ここで無理難題と思われるような課題に取り組むことでやっと人間の知恵が出てくる。
- 5章
- 3章の「困れ。困らせろ。」の状況を常に与えられる中で、その困った状況(一見無理難題)と思われる状況をどうやって果敢に取り組むか。
トヨタ式鬼十訓は、大野耐一さんのもとでトヨタ生産方式を学んだ若松 義人さんが、大野耐一さんが主張する考え方を10個に分かりやすくまとめてくれている。
逆に昨日から読み始めた大野耐一の現場経営は、大野耐一さん自身が語り手になって、自分の主義信条を詳しく語ってくれている。こちらのほうが大野耐一さんの心情が事細かに書かれているので自分には人間味が感じられて響く言葉が多い。
それにしても大量生産方式から脱却するためにトヨタが提案した、「必要なものを、必要なときに、必要な数だけつくる」概念のジャスト・イン・タイム、これを車の製造でよくやろうと思ったなホンマに。正気の沙汰ではない。
最近認証試験などで隠蔽事件などが発生しているが、このカイゼン活動も度を超すと歪みが発生してそのような事態を引き起こしてしまっているのかもしれないが、トヨタは日本が誇る企業としてぜひこの佳境を乗り越えてほしい。
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